概要

災害に強い病院を目指して川崎病院では、次のような対策を取っています。

1.建物は耐震構造でできています。

川崎病院は耐震構造でできています。また、特徴のある構造上、7階床下には、地震時の揺れを抑えるための制振機構を備えています。

7階床下にある免震ダンパー

◆7階床下にある制振機構
地震の時には、この制振機構がはたらいて、建物の揺れの伝わりを軽減します。

2.重要な設備は災害に備えた対策を取っています。

川崎病院は、電力・給水・医療ガスなどの重要な設備について、設備機器や配線・配管などの二重化を図るとともに、災害に備えた備蓄も行っています。

  • 電力 
    電力会社から複数回線(本線・予備線)で受電しているので、落雷などで電力会社の送電網でトラブルが発生し停電しても、瞬時に予備線に自動切換えされます。また、その他にもガスエンジンを搭載した自家発電設備や、重油を燃料とする非常用発電設備(3日分の重油が貯蔵できるタンクが地下にあります)があり、医療系・情報系にはそれぞれ大型の蓄電池設備も備えています。
  • 給水
    敷地内の地中に埋設されている給水配管を耐震性配管に改修します(平成28年度中に実施予定)。大きな地震の際に、地中で給水配管が破損することを防ぎます。また、万が一、広域的な断水が発生した場合は、優先的に給水車が駆けつける施設と指定されているほか、院内の受水槽には、約280㎥の飲料水を貯めておくことができます。
  • 医療ガス
    医療用酸素ガスは緊急時に予備系統(酸素ガスボンベ48本:約1日分)に切り替わります。その他にも携帯用酸素ボンベも診療スペースなどに備蓄しています。
  • 通信設備
    有事の際の通信手段として、市の防災無線に加えて衛星電話を2台保有しています。毎月通信訓練を行い、多くの職員が使用方法を習得しています。

3.災害用備蓄品を備えています。

川崎病院は、入院患者さんと受け入れ患者さんの食料や飲料水を3日分備蓄しています。また、7日分の医薬品や診療材料を備蓄しているほか、救護活動などに必要な、簡易ベッドや照明などの資機材や、オムツなどの衛生用品なども配備しています。

4.災害拠点病院としての役割を担っています。

川崎病院は、神奈川県災害拠点病院として川崎市南部医療圏の中心的な役割を担っています。災害時などには、有用な設備や高度な機能を活用し、その役割を確実に発揮することが求められています。そのために毎年1回、病院長以下多数の職種の職員が参加する実践的な災害医療訓練を行っており、消防局職員や看護専門学校学生など当院職員以外の方に参加いただくなど大規模な訓練を重ねています。

《災害拠点病院とは》

災害拠点病院は、病院などの後方医療機関として、地域の医療機関を支援する機能を有する病院で、重症・重篤な傷病者を受入れるなど、災害時の医療救護活動において中心的な役割を担う病院として位置づけられています。

  1. 救命医療を行うための高度診療機能
  2. 被災地からの重症傷病者の受入れ機能
  3. 傷病者の広域後方搬送への対応機能
  4. 医療救護班の派遣機能
  5. 地域医療機関への応急用医療資機材の貸出し機能

《DMAT隊の活動について》

川崎病院は神奈川DMAT指定病院に指定されており、災害医療における専門的な技術や知識を備えた職員が勤務しています。また、国内で起きた災害において、神奈川DMATとして派遣され、現場で活動した実績もあります。

DMAT隊の訓練の様子

◆DMAT隊の訓練の様子
様々な災害を想定し、訓練を積み重ねています。

派遣現場での活動

◆派遣現場での活動
神奈川DMATとして、災害現場に派遣され、任務に就きます。