当院の耳鼻咽喉科は5人の常勤医師によって診療を行っています。耳鼻咽喉科疾患全般に広く対応しており,さらに頭頸部領域の腫瘍性疾患の専門的診療も行っています。お近くの耳鼻咽喉科クリニックや病院の先生がたとの連携を密にして、手術、入院や精密検査をご依頼いただいたり、逆に頻回な通院が必要な場合に加療処置をお願いしたりなど、地域一体となって患者さんの診療が行えるように、基幹病院の耳鼻咽喉科頭頸部外科としての役割を担っております。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科疾患に対し5名で対応しています。特に頭頸部がん専門医が2名在籍しており、頭頸部悪性腫瘍診療については力を入れております。
●頭頸部疾患 頭頸部悪性腫瘍(口腔癌・上咽頭癌・中咽頭癌・下咽頭癌・喉頭癌・鼻副鼻腔癌・唾液腺癌・甲状腺癌など)の治療においては根治性の向上だけでなく、身体的侵襲をできるだけ少なくすると同時に、治療後の機能を可能な限り良くすることを考慮しています。世界標準のガイドラインに基づいて、手術・放射線治療・化学療法を組み合せ、個々の患者さんに最適な治療法を選択するようにしています。手術に関しては早期癌に対する低侵襲手術から、関連各領域の診療科との連携により再建を伴う拡大手術まで対応しております。特に早期の中下咽頭癌・喉頭癌に対しては、低侵襲な手術治療として、鏡視下咽頭喉頭悪性腫瘍手術を積極的に行っております。 ●鼻副鼻腔疾患 慢性副鼻腔炎、副鼻腔嚢胞、副鼻腔真菌症、鼻副鼻腔乳頭腫、鼻中隔弯曲症、肥厚性鼻炎、アレルギー性鼻炎、鼻出血など。内視鏡下副鼻腔手術の際にはほぼ全例ナビゲーションシステム(Fusion ENT Navigation System)を利用し、正確性および安全性の高い手術を目指しております。 ●咽喉頭疾患 急性扁桃炎、扁桃周囲膿瘍、急性喉頭蓋炎などの急性炎症の緊急入院加療から、習慣性扁桃炎、口蓋扁桃肥大・アデノイド肥大、声帯ポリープ、声帯結節、声帯嚢胞、ポリープ様声帯などの一般咽喉頭手術加療を行っております。 ●耳疾患 突発性難聴、顔面神経麻痺など急性疾患の治療から、滲出性中耳炎、慢性中耳炎、中耳真珠腫などに対して耳科手術を行っております。真珠腫難症例やアブミ骨手術など専門性の高い手術に関しては、慶應義塾大学から耳科専門のスタッフを招聘し手術を行っております。 ●その他 甲状腺腫瘍、副甲状腺腫、副咽頭間隙腫瘍、側頸囊胞、甲状舌管嚢胞(正中頸嚢胞)、耳下腺腫瘍、顎下腺腫瘍、唾石症、深頸部膿瘍などの良性疾患の治療も対応しております。
2021年より鼻茸を伴う難治性好酸球性副鼻腔炎に対して、指定難病医療費助成制度を利用したデュピルマブ治療を外来にて施行しております。
部長 重冨 征爾