認知症疾患医療センターの特色
認知症は、加齢とともに増加する、誰にでも起きうる病気です。近年では若年性認知症の方々へのサポートも重要な課題となっています。認知症の発症を予防すること、できるだけ早期に気付き専門医のもとで治療を開始するとともに、認知機能障害に応じた生活支援を行い、患者様や周辺の人々が穏やかで、その方達らしい暮らしを維持できるよう支援することが大切です。
川崎市立病院は令和3年8月、川崎市の認定を受け、認知症疾患医療センター(地域型)を開設しました。
●認知症専門医、脳神経内科医、精神科医、認知症看護認定看護師、老人看護専門看護師、臨床心理士、精神保健福祉士が連携し、老年期にみられる認知症はじめ精神面での健康問題、若年性認知症を抱える方の診断、治療を行います。
●当院で治療を開始し状態が安定した後には、治療、生活支援、リハビリテーションが継続できるよう、地域の医療・ケア従事者と連携して支援します。
●看護師、臨床心理士、精神保健福祉士等が連携し、認知症や老年期の精神面での健康問題に伴う様々な困りごとについて、生活相談を行います。
●地域の医療・ケア従事者への認知症診療・ケア・リハビリテーションに関する教育活動を行います。
●地域住民や認知症をかかえる当事者、ケアにあたる人々への教育・啓発活動や社会参加の機会創出に取りくみ、認知症があっても安心して暮らし続けることができる地域づくりに貢献します。
対象となる疾患
認知機能障害を呈する諸疾患の鑑別診断と治療を行い、地域医療機関での診療・ケア継続につなげます。
●アルツハイマー型認知症
●脳血管性認知症
●レビー小体型認知症
●前頭側頭型認知症
●その他(パーキンソン病、正常圧水頭症等)
《実施可能な検査》
神経心理検査、血液検査、髄液検査、コンピュータ断層画像撮影(CT)、磁気共鳴画像撮影(MRI)、脳血流シンチグラフィ(SPECT)、脳波等
受診・生活相談のご案内
《受診の流れ》
詳細は、もの忘れ外来
《連絡先》
044-233-5521(代表)
認知症疾患医療センター・もの忘れ相談室への問い合わせ希望とお伝えください。
《このような方々からの相談をお受けします》
●もの忘れや勘違いが増えた、穏やかな性格だったが急に怒りっぽくなった、服装がだらしなくなった、長年の習慣としていたことをしなくなった等、認知症を疑う症状に不安を感じている方、それにより生活上の困りごとを抱えている方とそのご家族等
●認知症を疑う症状に不安を感じご家族を受診させたいが、患者様ご本人が同意してくれず困っている方
●すでに認知症と診断されているが、認知機能障害の進行とともに生活・介護に困難をきたしている方やそのご家族等
●日常診療の中で認知症が疑われる患者様・利用者様に気付いた地域医療機関、関係機関、ケア事業者の方
●困りごとを抱えているが、社会制度やサービス利用方法が分からない方
《気づいてほしい認知症の初期症状》
これらに気づいた方、周囲の方々には、早期の受診をお勧めします。
●同じことを何度も聞いたり話したりするようになった
●置き忘れ、失くしものが増え、物を探すことが増えた
●食事や外出などの出来事そのものを忘れるようになった
●「財布を盗まれた」「指輪を盗まれた」等、失くしものを他人のせいにし疑うことが増えた
●それまでできていた料理、計算、仕事などにミスが増えた
●テレビや会話の流れが理解できなくなった
●カレンダーや手帳に控えてある予定をすっぽかしてしまうことが増えた
●慣れた場所でも道に迷うようになった
●穏やかな性格であった方が怒りっぽくなった
●好んでいた日課や趣味に興味を示さなくなった
●ぼーっとしている時間が増えた
スタッフの構成
専任医師2名(脳神経内科)、臨床心理士1名、精神保健福祉士2名
認知症看護認定看護師(認知症ケアチーム専従看護師、特定行為看護師)1名、
老人看護専門看護師(病棟部門兼務)1名
※他部門と密に連携をとっております。