当科では、医師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が各々の専門性を生かしつつ、障害のある患者さんに対しチーム医療を行っております。対象となる疾患は、脳血管障害・外傷・神経筋疾患・脊髄損傷・骨関節疾患・呼吸循環器疾患・悪性腫瘍や手術に伴う廃用症候群など、多岐に渡ります。様々な障害を持つ入院患者さんが、スムーズに自宅退院を果たせるように、また障害を軽減できるように、リハビリテーション医療を行っております。
外来診療担当表
外来での理学療法・作業療法・言語療法・摂食嚥下療法等は行っておりませんが、障害の評価や指導、装具の適応判定や痙縮治療など、リハビリテーション専門医の診察をご希望の場合には対応いたします。医療連携室へ一度ご相談下さい。
※初診患者さんは、電話予約の上、情報提供書を持参し午前11時までに受付を済ませてください。
※すべて完全予約制です。
各種検査・特殊外来
- 装具外来
装具外来では、義足義手・各種装具・車椅子など、新規処方・修理の対応をリハビリテーション専門医・義肢装具士・理学療法士・作業療法士が検討して行っています。受診ご希望の場合は、医療連携室までご連絡ください。
- 嚥下評価
当科では嚥下障害に対し、嚥下造影・嚥下内視鏡の検査を耳鼻咽喉科や言語聴覚士、管理栄養士と連携しながら、入院患者さん中心に実施しております。その結果を踏まえ、適切な栄養摂取方法の決定や、摂食指導を実施しています。
外来での対応も可能ですので、まずは医療連携室までお電話でご相談下さい。受診当日は情報提供書をご準備下さい。なお評価結果に基づいた食形態の調整はかかりつけ医へお戻しして対応をお願いしております。外来での嚥下訓練は当院では実施しておりません。
- 痙縮治療
脳血管障害などによる上肢・下肢の痙縮に対し、ボツリヌス療法をはじめとした各種治療の適応判断や薬物投与を行っております。まずは医療連携室までお電話でご相談下さい。なおご依頼から受診まで時間を要す場合もあることを、あらかじめ患者さんへご説明ください。
受診当日は情報提供書および普段使用している装具や杖などもご準備下さい。また裸足の状態を診察させていただきますので、脱ぎやすい靴下や靴でご来院頂けるよう、患者さんにお伝え下さい。
- 筋電図検査
検査は基本的に当該診療科からのご依頼となりますので、病態に応じて各科へご相談下さい。
医療連携について
当科では入院中の患者さんへのリハビリテーションを集中して行っているため、外来でのリハビリテーションは基本的に行っておりません。また外来で必要な検査や指導・治療を行った後には、かかりつけ医にお戻ししております。装具処方・嚥下評価・痙縮治療・筋電図検査については、当該診療科および医療連携室にご相談いただいた上で、予約にて対応いたします。
実績
検査項目 | 患者数 | 単位数 | ||
---|---|---|---|---|
2020年度 | 2021年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
脳血管疾患症 | 464 | 605 | 28154 | 31198 |
廃用症候群 | 642 | 733 | 20193 | 19888 |
呼吸器疾患 | 516 | 705 | 14472 | 16369 |
心大血管疾患 | 303 | 354 | 4780 | 5462 |
運動器疾患 | 832 | 887 | 24555 | 21033 |
がん患者 | 375 | 580 | 8978 | 11977 |
合計 | 3132 | 3864 | 101132 | 105927 |
責任者
部長 阿部 玲音
医師紹介
院内設備
診療・受付
当科は、発症前後・受傷後間もない患者様に対して、できるだけ早期にリハビリテーションを開始し、疾患・合併症等による機能低下を予防しています。また、必要に応じて運動療法、身の回りの動作の練習、神経心理学的な評価、嚥下やコミュニケーション能力の評価・練習などを行うことで、基本的な日常生活活動の能力向上を図っています。また、主治医の指示のもと、各科・各部門と連携をとりながらサービス提供を行っています。
理学療法部門
患者様各個人の症状に適した運動を医師・理学療法士が相談し、患者様への説明を行い決定・実施しています。
病気や怪我などで身体機能が低下した患者様に対し、運動療法や基本的動作(寝返り・起き上がり・立ち上がり・歩行・階段)の練習を行います。
作業療法部門
病気や怪我などで、能力低下がある患者様に対し、生活場面を想定して食事や更衣など、身の回りの動作を練習しています。また、作業活動を通して身体・精神機能向上を図ります。
退院後に家事動作への支援が必要な患者様には、掃除や洗濯、洗い物の練習などを実施しています。
手首の骨折や整形外科疾患のある方には、運動療法やスプリント療法を実施しています。
言語聴覚療法部門
脳血管疾患などによって生じた、失語症・構音障害によるコミュニケーション障害がある患者様に対し、評価・練習を行い能力の向上を図ります。また、高次脳機能障害のある患者様に対し、評価・練習を行います。
食べ物が飲み込みにくい、むせやすいなどの症状のある患者様に対し、医師・言語聴覚士で嚥下造影検査を行い、安全な食事摂取方法を決定します。患者様の症状に応じて、摂食・嚥下機能練習を行うことで機能向上を図り、食事を楽しんでいただけるように支援いたします。
(画像の使用に際し、個人情報保護に基づき、患者様の同意を得ております)
カンファレンス・その他
摂食嚥下・NST(Nutrition Support Team)栄養サポートチーム
入院患者様の栄養状態を把握し、適切な栄養管理を行っています。
整形外科(下肢)×リハビリテーション科
脊柱・下肢の疾患の患者様の状態を把握し、今後の方針の参考とするため、他職種と情報を共有しております。
整形外科(上肢)×リハビリテーション科
手の骨折や整形外科疾患の患者様の症例検討や、術前・術後のリハビリについて定期的にカンファレンスを行っています。患者様の状態を把握し、今後の治療の参考とするために、他職種と情報を共有しております。
心疾患リハビリテーション
当院では心大血管疾患リハビリテーション料(I)の施設基準認定を受け、2017年4月から心臓疾患や大動脈疾患を有する患者さんへの専門的なリハビリテーションを開始しています。心臓リハビリテーションとは、自分の病気のことを知ることから始まり、患者さんごとの運動指導、安全管理、危険因子管理、心のケアなどを総合的に行うものです。当院では、医師、理学療法士、作業療法士、看護師、薬剤師、栄養士など多くの専門医療職がかかわって、患者さん一人ひとりの状態に応じたリハビリプログラムを実施しています。