概要
呼吸器外科はスタッフ医師4名(全員が呼吸器外科専門医を所有)体制で、肺癌、転移性肺腫瘍、
縦隔腫瘍、気胸、嚢胞性肺疾患、血胸、胸膜中皮腫、気道ステントなどに対して、専門分野の診療を提供しております。
外来は、月曜日午前・火曜日午前・木曜日午後となっております。
随時、近隣医療機関や開業の先生方からのご紹介や、精査加療が必要な患者様への対応をしておりますので、お気軽にご来院ください。
医療関係者の方へ:患者総合サポートセンター(044-246-1289)にご連絡いただけますと、曜日・時間帯の予約が可能ですが、お急ぎの場合には、医師まで直接ご連絡ください。胸部異常陰影、特に診断のついていない孤立性陰影の精査も当科で実施いたしますので、お気軽にご依頼ください。
外来診療担当表
治療方針・診療実績
- 最近の手術実績(手術件数)
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 肺癌 100 86 72 74 82 転移性肺腫瘍 14 16 15 13 12 縦隔腫瘍 13 13 8 11 10 気胸、嚢胞性肺疾患 21 33 10 16 22 その他 31 10 29 36 30 - 胸腔鏡手術
呼吸器外科領域でも、内視鏡手術(胸腔鏡手術)が主流になってきています。胸腔鏡手術の最大の利点は、創の縮小により疼痛の軽減が図れることで、疼痛の軽減は手術後の喀痰喀出困難の予防、早期の回復につながります。当院でも胸腔鏡を利用し手術の低侵襲化を図っています。 - 肺癌の治療
肺癌に対する標準的な手術は、4~8cmの創で行う胸腔鏡補助の小開胸手術を主体として行っています。このような手術では、通常術後1週間程度で退院が可能なレベルへの回復が得られます。
臨床病期Ⅲ期の局所進行肺癌では、根治性が期待でき、かつ治療の安全性が担保できると判断した症例に対しては、手術を含めた集学的治療(化学療法、放射線療法を先行して行い、その後に手術を施行)を行っています。 - 自然気胸の治療
原発性自然気胸に対する手術は、従来からの考え方に準じ、気胸再発例、内科的治療(胸腔ドレナージなど)で治癒しない例、血胸をともなう例などを適応としています。初めて気胸が発症した例では原則として胸腔ドレナージを行っていますが、「早期に退院し、社会復帰したい」「再発の可能性をできるだけ減らしたい」などのご希望がある場合には、患者さんと相談し手術適応の判断をしています。自然気胸に対する手術は、胸腔鏡で行うことがほとんどで、その場合術後2-4日で退院となっています。 - 縦隔腫瘍の治療
縦隔腫瘍の多くは手術治療の適応となりますが、前縦隔腫瘍の中には化学療法が治療の中心となるもの(悪性リンパ腫、胚細胞性腫瘍)、集学的治療が必なもの(進行胸腺腫)もあります。
このような例では、早期に生検を行って診断を確定し、他の診療科とも連携しながら治療を行っています。 - 転移性肺腫瘍の治療
転移性肺腫瘍とは、肺腫瘍のうち、肺以外の臓器のがんが肺に転移したものです。原発臓器によっては、肺転移を切除することにより予後の改善が得られます(大腸癌、腎癌、頭頸部癌など)。
手術による治療効果が期待できる例に対しては、積極的に手術を適応しています。
トピックス
◆チーム医療
診断や治療方針に関しては、毎週行われる呼吸器内科、放射線科との合同カンファレンスでも検討を行い、正確な診断、最適な治療法の選択を行うように心掛けています。また、感染対策チーム(ICT)、栄養サポートチーム(NST)、呼吸サポートチーム(RST)、緩和ケアチーム、褥瘡対策チームなどと連携しながら、診療にあたっています。病棟カンファレンスでは、多職種参加のもとに治療方針を相談し共有します。◆総合病院の利点
呼吸器疾患は比較的高齢な方に多く、心臓病や糖尿病など合併疾患をかかえる手術患者さんもおられます。手術の際には、そういった疾患に注意を払う必要があります。そのような患者さんに対しては、総合病院の利点を生かし、各科専門医や多職種と連携して万全な管理の基に手術を行うようにしています。◆早期の診断と正確な診断
気管支鏡検査においては、呼吸器内科との連携のもと、超音波気管支鏡、極細径気管支鏡、CT画像から作成するバーチャル内視鏡画像による気管支鏡ナビゲーションシステムが用いられています。また、放射線診断科と連携して、CTガイド下あるいは超音波ガイド下の経皮生検を積極的に行っています。◆手術手技の工夫
手術に際しては、胸腔鏡の使用や、気管支・血管形成手技を応用した肺を温存する術式の適応など、手術手技の工夫をできるかぎり行って、侵襲を少なくするように努めています。◆胸腔鏡手術
呼吸器外科領域でも、近年、内視鏡手術(胸腔鏡手術)が主流になってきています。 胸腔鏡手術の最大の利点は、創の縮小により疼痛の軽減が図れることで、疼痛の軽減は手術後の喀痰喀出困難の予防、早期の回復につながります。当院でも胸腔鏡を利用し手術の低侵襲化を図っています。肺癌の標準的な手術では、4~8cmの傷で行う胸腔鏡補助の小開胸手術を主体として行っています。責任者
副院長(呼吸器外科部長兼務) 澤藤 誠