血液センターは2階にあります。
安全な輸血のために
血液センターでは輸血に関連する検査のほか、血液製剤の管理等の一括管理を行っています。
これらの業務は、臨床検査技師が24時間体制で実施しています。
輸血検査
輸血療法は、血液中の赤血球や凝固因子等の各成分の機能や、量が不足したときにその成分を補充することを主な目的として行われます。
輸血検査は検査結果が直接に患者さんの生命に関わる検査であり、不適合輸血を防ぐため、ABO式血液型、Rh0(D)因子の血液型検査をおこなっています。
また間接抗グロブリン試験を含む不規則抗体スクリーニングを行っています。
事務的な過誤による血液型不適合輸血を防ぐために、輸血用血液の受け渡し時、輸血準備時及び輸血実施時に、それぞれ血液型、血液製造番号、有効期限、交差試験等の検査結果と輸血用血液が該当患者さんに適合しているものであることを複数人でチェックしています。
さらに、ベッドサイドでの患者認証システムを介した血液製剤認証を行うことにより、輸血過誤防止に努めています。
主な検査内容
ABO式及びRh式血液型検査 | ABO式血液型は安全な輸血をする上で最も重要な血液型です。 赤血球側、血清側の双方から判定し、両方の検査結果を照合して決定しています。 |
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不規則抗体スクリーニングと同定 | 不規則抗体を事前に検査することは、患者、供血者、妊婦などの血清中に含まれる輸血副作用を起こす可能性のある抗体に対して抗原陰性血を選択でき、また血液型不適合妊娠による新生児溶血性疾患の予防と対策に重要な意味を持っています。 |
交差試験(クロスマッチ) | 不適合輸血を防ぐために、主試験(患者血清+供血者血球)・ 副試験(患者血球+供血者血清)を間接抗グロブリン試験を含む適切な方法で検査を行っています。ABO式及びABO式以外の血液型との適合性も検出でき、出血が予想される待機的手術では、このように全ての面で適合した血液をあらかじめ準備しておきます。 |
輸血管理システム
電子カルテとの連携により、検査結果をリアルタイムで患者基本情報にオンラインで出力できるため、オーダリング画面で患者血液型を確認でき、間違った血液型のオーダーを阻止できます。
過去の血液型と照合ができ、検体取り違え、出庫ミス対策に有効であり、検査の信頼性を高めています。
血液製剤の入出庫にかかわる一連の業務も全てコンピュータによるバーコード管理を実施しており、ヒューマンエラーである事務的なミスを生じることがありません。
自動輸血検査システム
輸血業務は臨床検査技師により、24時間体制で行われています。自動輸血検査システムは、赤血球凝集反応に基づいており、ビーズを用いたカラム凝集法を用いています。
ビーズカラム凝集法は、赤血球等の凝集反応を検出する免疫学的検査法です。この方法では、微量な検体量で検査できるため、乳幼児あるいは重篤な貧血症等の患者さんへの負担を少なくできます。
バーコードによる検体及び試薬の管理やカラム法による判定、ホストコンピュータとのオンラインにより、高い判定精度による迅速な検査結果の報告が可能です。
自動輸血検査システムでは、標準化された検査が安全かつ効率的に行われています。
放射線照射室
輸血後移植片対宿主病(GVHD)の予防のためには、リンパ球を含む輸血用血液に放射線照射をして用いることが最も効果的です。全照射野に最低限15Gy(50Gyを超えない)の放射線照射を行って使用します。
自己血輸血
自己血輸血は輸血による免疫反応や輸血後感染症等の副作用を防止する為に、他の人の血液ではなく自分の血液を用いる最も安全性の高い輸血療法です。さらに自己血輸血はまれな血液型や血液に対する特異な免疫抗体を持った患者さんに有効な方法でもあります。
輸血用血液の保存
輸血用血液は温度管理が不十分な状態では、各成分の機能低下をきたしやすいため、それぞれ最も適した条件下で保存しなければなりません。
赤血球成分、全血は2〜6℃、新鮮凍結血漿は−20℃以下でそれぞれ自記温度記録計と警報装置の付いた輸血用血液専用の保冷庫で保存しています。