手術治療

現在、多くの病院で行われているのはTUR-P(経尿道的前立腺切除術)という内視鏡手術で、電気メスで腫れている前立腺を少しずつ切除していく方法です。前立腺が大きいと出血量が多くなり、高齢者や心臓の悪い方には施行できない場合があります。

 

『HoLEP』という手術方法は、内視鏡を尿道から入れて前立腺の内側(内腺)と外側(外腺)の境目を剥がしていきます。その剥がす際にホルミウム・ヤグレーザーという種類のレーザーを使用して核出(くり抜くこと)します。膀胱内へ核出した腺腫はモルセレーターという道具で細切・吸引しながら摘出します。これまで前立腺肥大症に対し施行されてきた TUR-Pは腺腫を電気メスで削り取ってくるため、削る(切開)と止血(凝固)を交互に行わなくてはならず、大きな前立腺肥大ではある程度の出血は防ぐ事ができず、手術時間も長くなります。

 

前立腺肥大をミカンに例えると、実にあたるのが腫大した前立腺です。TUR-Pでは、ミカンの実に切り込むため、果汁すなわち出血が多くなります。しかしHoLEPでは、ミカンの実を塊として皮から剥ぎ取るため果汁が出ない、つまり出血が少なくなります。このことによりHoLEPは、TURP に比べて出血量を少なくすることが可能となり、低侵襲な治療法として非常に注目されています。

前立腺をみかんにたとえた時のイメージ