放射線を放出する薬剤を体内に投与し、臓器等の状態を画像化
核医学検査は、ガンマ線という放射線を放出する少量の薬を体内に投与して、体から出てくるガンマ線を専用のカメラで検出し画像化する検査です。臓器や組織の形態や機能、代謝状態などを評価することができます。
この検査で使用する放射線を放出する薬には微量の放射性同位元素というものが含まれており、特定の臓器や組織に集まるよう調剤されています。この薬に含まれている放射線は時間とともに減少していき、数時間から数日で放射線の量は半分以下になるものがほとんどです。
また、尿や便から排出されるため、体内に残ったままになることはありません。そのため被ばくは少なく、副作用も極めて少ないのが、この検査の特徴です。
検査の流れ
- 放射線を放出する薬を体内に投与します。
・ほとんどが腕の静脈から注射をします。口から薬剤を飲んだり、吸収する場合もあります。 - 投与した薬が目的の臓器・組織に集まるまで待ちます。
・注射直後から検査するもの、数時間~数日待ってから検査するものなど、検査によって待ち時間が異なります。 - 撮影装置のベッドの上で横になり、専用のカメラで撮影します。
・検査の種類によっては、お顔に機械が近づく場合があります。 - 検査終了です。
検査時間と検査前の処置
検査名 | 検査時間 | 注射後から検査開始 までの待ち時間 |
検査前の注意事項 |
---|---|---|---|
心筋血流 シンチグラフィ |
約60分 | (1回目)約30分 | 飲食の禁止 ※ 特にカフェインを含むものは 検査に影響します。 |
(2回目)約3時間 | |||
ガリウム シンチグラフィ |
約60分 | 約2日 | 下剤の服用 |
脳血流 シンチグラフィ |
約30分 | なし (注射直後から検査) |
特にありません |
骨 シンチグラフィ |
約20分 | 約3時間 | 特にありません |
肺血流 シンチグラフィ |
約20分 | なし (注射直後から検査) |
特にありません |
甲状腺 シンチグラフィ |
約20分 | 約15分 | 特にありません |
脳ドーパミン トランスポータ シンチグラフィ (DATシンチグラフィ) |
約20分 | 約4時間 | 特にありません。 |
患者様へお願い
- 検査薬は特殊な薬剤で、時間が経つと使用できなくなります。
- 検査予約日を変更したい方、また何かのご都合で検査当日に来院できなくなる方は、検査前日の午後5時までに下記連絡先まで、ご連絡をお願いします
- 検査はすべて予約制です。検査時刻も正確に決まっておりますので、必ず予約日時にお越しいただきますようご協力お願いします。
連絡先:044-233-5521 (内線)3457
注意事項
- 以下に該当する方は検査が行えない場合がありますので、スタッフまでお申し出ください。
- 授乳中の方
- 妊娠中、妊娠の可能性のある方
- 長時間、同じ姿勢で寝ているのが困難な方
- 検査の種類によっては検査前の食事制限など、検査のために必要な処置があります。検査予約時に担当のスタッフより説明させていただきます。
検査内容
脳血流シンチグラフィ
- 脳内の血流量を画像化する検査です。脳内に病気がある場合、血流量に変化が生じるため、画像でも変化が生じます。
- 血流の量が多い部分はより赤く、少ない部分はより青く表示されます。
- 脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳動脈閉塞、もやもや病等の診断に用いられます。
- 脳血流シンチグラフィの画像とMRI等の画像を重ね合わせることで、より正確な 部位を把握でき、診断精度も向上します。