- 川崎病院の産科について
- 無痛分娩のご案内
- 出生前検査について
- 分娩実績
- 妊婦健診について
- 分娩予約について
- 母親学級について
- 病棟・母児同室・母乳育児推奨
- 食事について
- 産後ケア
- 持ち物・お産セット
- 出産された方からのメッセージ
1.川崎病院の産科について
川崎病院は地域周産期母子医療センターとして、新生児内科常勤医師と新生児集中治療室(NICU)6床、新生児回復室(GCU)18床が整備され、日本周産期新生児医学会周産期専門医(母体胎児)を中心に、周産期救急の積極的な受け入れやハイリスク妊娠、分娩の管理を行っています。
年間700件を超える分娩を取り扱っており、外来から産婦人科医師、助産師によるきめこまやかな健診を行い、妊婦さまおひとりおひとりについて妊娠期間を通してサポートし安全な分娩管理を行っています。さらに、当院では公立病院の特徴を生かし、必要時区役所の母子担当と連携し、妊娠期間や退院後の子育てがスムーズにいくように支援を行っています。
地域の産科やクリニックとも連携しみなさまが安心してお産ができる環境を整えることに貢献したいと考えております。
2.無痛分娩のご案内
無痛分娩は陣痛の痛みを緩和させるために麻酔という医療介入をして分娩するものです。
当院では産婦人科医と麻酔科医が協力し、安全を最優先とした硬膜外麻酔による無痛分娩を行っています。
母児への副作用や分娩への影響を考慮した鎮痛を行いますので、痛みが全くなくなるものではありません。
当院の無痛分娩は陣痛促進剤を用いて、分娩を誘発する計画分娩になります。
入院予定前に陣痛発来や破水などで入院となった時や、夜間・休日には無痛分娩は行っておりません。
無痛分娩のメリット
陣痛の痛みを緩和し、母体疲労を軽減することができます。分娩に対する恐怖心を和らげることができます。
無痛分娩のデメリット
麻酔により分娩が急速にすすむこともありますし、陣痛が弱くなることもあります。
うまくいきめず、吸引分娩を行う可能性が高くなります。
陣痛発来前に陣痛促進剤を用いて陣痛をつけるため、分娩誘発に数日かかることもあります。
「当院の無痛分娩説明同意書」(PDF形式, 190KB)
「当院における無痛分娩施設情報(JALA 無痛分娩関連学会・団体連絡協議会)」(PDF形式, 90KB)
無痛分娩の予約
当院で妊婦健診を行う方を対象としております。 妊娠12週以降に受け付けを開始しますので、産科外来で担当医に無痛分娩の希望があることを申し出てください。 無痛分娩の受け入れ枠には限りがあります。ご希望に添えないこともございますので、ご了承ください。
その他
無痛分娩を希望される方は、妊娠34週以降に無痛分娩外来を受診していただきます。
安全な麻酔が可能かどうか確認するために、事前に血液検査、心電図検査、胸部・骨盤レントゲン検査(自費 約16,000円)を受けていただき、麻酔科医と面談していただきます。
当院では無痛分娩の費用として、通常の分娩費用に加えて10万円をいただいております。この中には無痛分娩に使用する針や麻酔薬の料金が含まれており、計画分娩の費用は別途かかります。分娩の満足度にかかわらず、料金は発生しますのでご了承ください。
3.出生前検査について
出生前検査とは赤ちゃんが生まれる前に生まれつき病気を持っているかを、予測、もしくは診断する検査のことです。生まれてくる赤ちゃんの3~5%には小さなものを含めて、何らかの異常を持つといわれています。しかし、それらのうち出生前に診断できるものはわずかしかありません。
出生前検査は、超音波検査などにより赤ちゃんの各臓器に形態的異常がないか調べる検査と遺伝学的検査にて赤ちゃんに病気があるかどうか(主に染色体異常)があります。遺伝学的検査には母体の血液を使用して間接的に検査する母体血清マーカー検査、コンバインド検査、NIPTなどがあり、直接染色体を調べる絨毛検査、羊水検査があります。
<当院で対応可能な遺伝学的検査>
NIPT 妊娠10週~15週
羊水検査 妊娠15週~17週
1 NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)
当院では出生前検査認証制度等運営委員会の認定を受けて、NIPTを実施しています。
お母さんの血液中にはわずかに赤ちゃん由来のDNA断片がみられます。そのDNAを解析することにより21トリソミー(ダウン症候群)、13トリソミー、18トリソミーの可能性をみるための検査です。
検査実施期間: 妊娠10週0日 ~ 14週6日
NIPTの対象となる方
・超音波検査にて心拍が確認されており、分娩予定日が決定している方
・当院で妊婦健診を行っている方
検査の流れ
パートナーと一緒に遺伝相談外来(遺伝カウンセリング)を受診してください。(予約制)
検査は妊婦さんから10ml 採血して検査します。
遺伝カウンセリング当日の検査も可能です。
パートナーと相談の上、後日に検査することも検査のキャンセルも可能です。
採血から2週間後以降に結果を説明します。
検査を希望される方は、妊娠初期に外来担当医にお申し出ください。
2 羊水検査
羊水を採取して、胎児由来の細胞を培養し、胎児の染色体の変化(染色体の数や構造の異常)があるかを調べる検査です。
検査実施期間: 妊娠15週 ~ 17週ごろ
検査の流れ
パートナーと一緒に遺伝相談外来(遺伝カウンセリング)を受診してください。(予約制)
検査について詳細を説明し、希望される場合には検査日を決めます。
入院日に、超音波ガイド下に子宮の中から羊水を穿刺します。
検査後は安静にしていただき、翌日母児の状態を確認して退院になります。
検査結果は約3週間後になります。
料金
NIPT | 108,370円 *NIPT陽性時の染色体検査(羊水検査)は無料ですが, 入院費用、手技料が発生します. *NIPT判定保留の場合NIPTは無料です. 羊水検査を希望される際には別途費用がかかります. |
羊水検査 | 72,000円(Gバンド法) 96,000円(Gバンド法+FISH法) 別途入院費用・手技料がかかります. |
遺伝カウンセリング(1回) | 5,000円 |
4.分娩実績
2019年 分娩件数 892件 (帝王切開率 33.5%)
2020年 分娩件数 715件 (帝王切開率 32.3%)
2021年 分娩件数 767件 (帝王切開率 35.3%)
2022年 分娩件数 717件 (帝王切開率 35.8%)
2023年 分娩件数 671件 (帝王切開率 36.1%)
5.妊婦健診について
当院での妊婦健診のスケジュールと主な検査です。
妊娠経過や母体や胎児の状態によっては、検査内容や健診間隔が変更されることもあります。
また週数によって医師外来と助産外来となっています。
助産外来では、おひとり30分の枠で助産師が健診を致します。ご主人も付き添い可能でゆっくりと健診を受けていただけます。
エコー画像 送信サービスについて
「MeDaCaアプリ」を使用してエコー画像がスマートフォンで受け取れるようになりました。「MeDaCaアプリ」は無料でご利用いただけます。(4Dエコーは別途費用がかかります)
6.分娩予約について
・当院以外での施設で分娩予定の方の妊婦健診は原則としてお断りさせていただいております。
・他院で妊婦健診し、当院での里帰り分娩を希望される方は妊娠初期に受診して頂き、分娩予約をお願いしています。かかりつけ医療機関を通じてご相談ください。
7.母親学級について
快適なマタニティライフを送りながら安心して出産に臨んでいただくために当院では母親学級を実施しています。
初期:当院の紹介・妊娠中の食事や栄養バランス、マタニティヨガについて・育児練習
後期:母乳育児・お産の進行や分娩室での過ごし方について
開催日:月1回開催しています。日程は妊婦検診でご確認ください。
動画でもご覧になれますが、妊娠中の様々な悩みやお産、育児に対する不安など、助産師に相談することも出来ます。さらに妊婦さん同士でもお話ができ、ご主人もご参加いただけるので是非お越しください。
8.病棟の雰囲気、母子同室、母乳育児推進について
当院では、経腟分娩では産後1日目、帝王切開では産後2日目から母児同室を行っています。
(赤ちゃんとママの状況によっては多少日にちが前後する場合がございます)母子同室を行うことで赤ちゃんのお世話に慣れ、育児に自信をもって退院を迎えることができます。
また、当院は母乳育児を推進しています。母乳にはたくさんのメリットがあります。授乳や育児の不安な方もスタッフが昼夜問わずに、丁寧にサポートさせていただきます。
皆さんが入院後お過ごしいただくお部屋などについてご紹介していきます。
9.食事について
配膳
朝食8時、昼食12時、夕食18時に配膳します。
「お母さんと赤ちゃんの食の健康」をモットーに産前・産後や授乳に必要な栄養素にも配慮した食事を提供しています。保温冷配膳者を使用して温かいお料理は温かく、冷たいお料理は冷たくしてお届けしています。
出産祝い膳
当院では出産されたママに退院前に「出産お祝い膳」にメッセージを添えてお届けしています。
10.産後ケア
母乳外来
・完全予約制です(火・金)
・おっぱいケアだけでなく、赤ちゃんの授乳等の育児相談、お母さんの体調面ご相談を受け付けています
2週間健診
・完全予約制です
・退院後の生活面、育児の様子に応じて相談を受けています
11.持ち物・お産セット
入院時に必要な荷物は以下の通りです。パンフレットにも記載がありますので確認しながら準備を始めましょう。お産は何があるかわかりませんので、32週頃までにはいつでも入院できるように入院時の荷物を準備しましょう。
12.出産された方からのメッセージ
本当に一人目の妊娠・出産の時からありがとうございました。信頼できる助産師さんと医師がいると思うと市立病院以外での出産は考えられませんでした。みんな明るくて「またきたの~」「おかえり」「出産お疲れ様」「そろそろ来ると思ってたよ」と沢山声をかけてくれて嬉しかったです。一人目の時は切迫早産で入院期間中に毎日泣いていたと言っては過言ではなく、励ましてもらってたくさん雪をもらって3人目を出産した今となってはどーんと構えるような強い心を持つことができるようになりましたたくさんありがとうございました。
助産師さんが皆優しくたくさんのことを教えてくれるので2度目もここを選びました。ありがとうございました。
不安な事、わからないことなど親身になって教えて下さり「頑張っているね」「疲れちゃったら預けて休んでね」などの声掛けに、駄目じゃないんだと心が軽くなりました。本当にありがとうございました。
1週間ちょっとという短い期間ですが、入院中とても親切にサポートして下さり感謝します。コロナ禍で家族との面会が出来ない中、メンタル的に落ちてしまう方も多いと思います。けど、スタッフの皆さんが優しくサポートしてくれるので救われる人もいるだろうなと感じました。私もその一人です。本当にありがとうございました。